クラウドPBXの音質って気になるレベル?悪化の原因と改善方法
近年、テレワークの普及などもあり、クラウドPBXを導入する企業も増えています。しかし、従来のビジネスフォンと比べて音質が気になるとの声も多いのではないでしょうか。
ビジネスとして利用するのであれば、スムーズに会話ができるかどうかは重要です。
そこで本記事では、クラウドPBXの音質やクラウドPBXの音質が悪化する原因、音質改善方法などをご紹介します。
1. クラウドPBXの音質ってどうなの?
ビジネスとして使う電話であれば音声を重要視するのは当然です。
クラウドPBXの音質はベンダーによってさまざまですが、ビジネスフォンとなんら遜色ない音質で利用できます。
サービス開始当初は音質面の弱さを指摘されることもありました。
特に約10年前はインターネット回線を使った電話は技術が足りず「通話が安定しない」「音質が悪い」などのイメージがありました。そのため、今でもインターネット回線を使った電話のイメージが悪い方も多くいます。
しかし今では技術が発達し、各ベンダーが改善を重ね、通常の電話では問題ない音質が実現しています。
他の通話ツールと比べてどうなのか
無料で通話する方法として、SkypeやLINEなどのSNSや他の通話ツールという方法もあります。クラウドPBXもインターネット回線を利用したシステムですが、ネットワークから電話回線を経由して通話を行っているため、他の電話アプリや通話ツールと比較しても高い品質が保たれているとされています。
2. クラウドPBXの音質が悪化する原因
クラウドPBXの音声は通常の固定電話と同様の音声品質を提供していますが、一部の環境下では音質が悪化する可能性もあります。ここではクラウドPBXの音質が悪化する原因を2つご紹介します。
2.1 インターネット環境が不安定
クラウドPBXはインターネット回線を利用しているため、インターネット環境が不安定だと音質が悪化する可能性があります。特にネット回線の速度がもともと遅い場合は、さらに音質が悪化する可能性があります。
またスマホを利用している場合、電波が悪いと音質に影響が出る可能性があります。アンテナが数本立っており、安定して通信環境にあれば問題なく利用できるでしょう。しかし、イベント会場や駅など人が多い場所など通常のスマホでも通信に影響が出るような場所ではクラウドPBXも途切れやすくなってしまうでしょう。
またWi-Fiを利用している場合は通信が安定しないことが多いため、有線LAN接続時よりも音質が悪化してしまう場合もあるでしょう。
例えば、外出時にフリーWi-Fiなどに接続している場合は注意が必要です。フリーWi-Fiは多くの人が利用しているため、回線が混雑しがちです。またセキュリティ面でも問題があるため、モバイルデータ通信に切り替えるなどの工夫が必要でしょう。
2.2 サービス提供者のサーバー問題
2つ目は、サービスを提供するベンダーのサーバー問題です。サーバー自体に問題があると、利用者側の環境に問題がなくても音質が悪化してしまう可能性があります。
自身の利用している環境に問題がないのに、クラウドPBXの音質が安定しない場合は、一度サービス側に問い合わせてみましょう。
3. クラウドPBXの音質改善方法
クラウドPBXの音質が悪いときには以下の方法を試してみましょう。
3.1 ネット回線を変えてみる
回線速度が遅いと音質にも影響が出てしまう可能性があります。まずは自社の通信速度を確認し、極端に遅い場合は早い会社への切り替えやプラン変更などを検討しましょう。
またWi-Fiを利用している場合はWi-Fiの環境を見直しましょう。2022年1月現在では「Wi-Fi6」が最新バージョンであるため、それ以前のバージョンであれば切り替えを検討することをおすすめします。またデータを通す順番や量などを調整できる「QoS(Quality of Service)」を設定できるルーターの導入も検討してみましょう。
Wi-Fiの環境を整えてもさらに安定しない場合は、有線LAN接続に切り替えるのがおすすめです。Wi-Fi通信はBluetooth機器や壁などの影響を受けやすく、速度が低下してしまいがちです。有線LANはルーターとデバイスをケーブルで物理的に接続するためノイズの影響を受けにくく、通信が安定します。オフィスや自宅などデバイスを固定して利用する場合はできるだけ有線LANを利用することで、安定した通信環境を作れるでしょ
う。
3.2 端末を変えてみる
インターネット環境を整えても音質が安定しない場合は、使用端末の変更も検討しましょう。クラウドPBXは通話用のアプリケーションを利用することが一般的ですが、こうしたアプリと端末のOSの相性が悪いことも考えられます。
特にスマホやタブレットなどはOSのバージョンが古いと対応していない可能性もあります。端末を変える前に最新のバージョンに更新しましょう。それでも通信が安定しない場合は、可能な限り使用端末を変更してみるのをおすすめします。
パソコンを利用している場合は、性能の高いパソコンや最新のOSに変えるなど、異なるデバイスを使ってみましょう。
またベンダー側は自身のサービスに対応している端末やOSを公開していることが多いです。使用を開始する前にまずはベンダー側に対応端末を確認してみましょう。
3.3 音質の良いデバイスを使う
音質の良いデバイスに変えてみるのもおすすめです。
例えば、ヘッドセットなどを使っている場合、古いものだと音質が低いものも多いです。そのため、普段から音質に関して問題を感じているなら音質の良いとされるデバイスに買い替えましょう。
スマホを使っているなら新しいスマホに変えたり、スマホと接続しているイヤホンやヘッドホン、ヘッドセットなどを見直してみるのもおすすめです。またベンダーに相談すれば、音質の良いデバイスを教えてくれる場合もありますので、一度相談してみましょう。
3.4 高音質なサービスに乗り換える
自身の環境を整えても音質が悪い場合は、高音質なクラウドPBXサービスに乗り換えることを検討しましょう。
導入前にどの程度の音質か確認したいという場合は、各ベンダーが提供している「無料トライアル」や「お試し期間」などを利用しましょう。無料お試し期間中に実際の運用環境を体験することで、通話音質を確認できるでしょう。
4. まとめ
クラウドPBXの音声品質は、現在では固定電話と遜色のない品質を実現しています。また今後は5Gなどの普及により、益々通話品質が向上することが期待されます。
ただし、インターネット回線を利用するため、インターネット環境に問題があれば音質に影響が出る可能性があります。またデバイスとの相性によっても、音質が下がってしまう可能性があるでしょう。そのため、まずはインターネット環境やデバイス環境を整える必要があります。
それでも音質に問題がある場合は、高音質なサービスに乗り換えることも検討してみましょう。無料トライアルなどを利用すれば、実際の運用環境と同じように使えるので音質を試しやすいです。ぜひ試してみてはいかがでしょうか。